はじめに

nanapiでの連載は今回が最終回となります。第5回に書く内容をいろいろ考えていたのですが、Googleアナリティクスで一番大切なことは何かと考えたときに出てきたのが「目標設定」です。

Googleアナリティクスにはサイトのゴールなどを設定できる「目標設定」という機能があります。こちらの機能、みなさんのサイトでは利用されていますでしょうか?以前、Googleアナリティクスの担当者から伺った話ですが、日本は他の国と比較しても目標設定が行われているアカウントの割合が低いとのことでした。

「目標設定」をしないGoogle アナリティクスを見る意味は無い!ということで、最終回は「目標設定の大切さ」「Google アナリティクスでの目標設定方法」「目標設定をすると見られるレポート」「目標設定のTIPS」をお届けします!

目標設定の大切さ

何故、目標設定が大切なのでしょうか?

一言でお伝えすると「目標設定していないと、データを見てもサイト改善に繋がらないから」です。目標が設定されていないと、どこを直せばよいかが分からず、ただ漠然と訪問者やページビュー数といった「量」だけを見ることになってしまいます。これでは、サイト改善には繋がらず、Googleアナリティクスはその価値を発揮することが出来ません。

どんなサイトであっても、それを運営している以上、目標は設定するべきです。例えば企業ブロウであっても「訪問者」以外に「コーポレートサイトへのリンクのクリック回数」あるいは「新規訪問者」「直帰率の減少」などが目標になりえるでしょう。BtoBのサイトであれば「資料請求数」「お問い合わせ数」「特定商品の閲覧数」などが考えられます。

ここでいう「目標設定」とは、3つの要素をもちます。それは

  • 「指標
  • 「値」
  • 「期間」

の3つです。例えば「コンバージョン数を100件に増やす」あるいは「売上げが最も重要な指標だ」は不十分です。

「資料請求数(指標)を来年の3月(期間)までに、1週間平均で40件(値)にする」といった形が目標設定です。3つの要素を全て網羅されていることが大切です。

後はこの数値が計測できるようにGoogleアナリティクスで設定するだけです。早速、その設定方法を紹介します。

Google アナリティクスでの目標設定方法

Google アナリティクスでは「目標設定」を最大20個まで行うことが出来ます。目標設定は以下の場所から、設定が可能です。

STEP1

Googleアナリティクスの右上にある「アナリティクス設定」を選択し、対象のレポート名を選択する。

STEP2

複数のタブが表示されるので、「目標」のタブを選択する。

STEP3

Google アナリティクスでは、目標が4つの「セット」にわかれており、1つの「セット」あたり、5つの目標を設定することが出来ます。「セット」による違いはありません。

しかし、Google アナリティクスの画面では、セットごとに目標を確認するため、分析上、同じタイミングで見る場合は、同じセットに入れておくとよいでしょう。

STEP4

登録したいセットの下部にある「+目標」を選択する

STEP5

目標入力画面が表示されます。まずは「目標名」と「目標タイプ」を決めます。

「目標名」は画面上で表示される名称になりますので、分かりやすい名前をつけてください。

「目標タイプ」は4種類あるので、それぞれを説明いたします。

  • 「URLへのアクセス」:最も利用頻度が高い目標タイプです。特定のURLあるいはURL群にアクセスしたことを、成果として記録することが出来ます。
  • 「訪問の滞在時間」:サイトに訪れた人が、特定の時間以上(あるいは未満)滞在したことを成果として記録することが出来ます。読み物サイトやブログなどの目標設定に向いています。
  • 「訪問別ページビュー」:サイトに訪れた人が、特定のページ数以上(あるいは「等しい」「未満」)閲覧したことを成果として記録することが出来ます。こちらも複数ページを見てもらうことを目標とするサイトに向いています。
  • 「イベント」:Googleアナリティクスで用意されている変数を実装し、その変数値が特定の条件のときに成果として記録することが出来ます。例えば「特定のファイルのダウンロード」「特定の外部へのリンクのクリック」「動画の再生」などが考えられます。URLでは指定できない、特定の行動を成果として計測する場合に向いています。

STEP6

「目標タイプ」を選択すると、それぞれにあった入力画面が出てきます。ここでは最も利用頻度が高い「URLへのアクセス」で説明をしていきます。以下が、その画面になります。

それぞれの入力項目を確認してみましょう。

  • 「目標URL」:成果対象となるURLを指定します。説明に書いてある通り、通常はドメイン名を除いたURLを記載します
  • 「マッチタイプ」:単一のURLを指定する場合は「完全一致」を。複数のURLをまとめて目標設定したい場合(例:複数のURLが違うフォームを一つの目標としてカウントする)は、「前方一致」あるいは「正規表現一致」を利用してください。
  • 「大文字と小文字の区別」:名称の通りです。通常は区別をつけることはありません
  • 「目標値」:成果が発生した時に「どれくらいの価値を与えるか」を数値で設定することが出来ます。例えば、1件の資料請求は「何百円の価値があるか」といったことを考え、その金額を数値として入力します。

数値として入力しておくと、トラフィック(流入元)やコンテンツの中のページレポートで、その数値を確認することが出来ます。以下のページレポートをご覧ください。

最も右の列に「ページの価値」という指標があります。これが、先ほどの「目標値」が反映される箇所です。ページの価値は、

ある特定ページの価値 = 該当ページ経由で発生した目標値の合計 ÷ 該当ページの訪問回数

という形で計算されます。

「目標到達プロセス」:目標達成までに必ず通るような遷移がある場合(フォームを入力して目標に達成するようなケースが該当します)、その途中のプロセスを入力することができます。チェックを入れると、以下のような画面が表示されます。

それぞれのステップにURLを入力することで、「目標到達プロセス」のレポートを確認する事が出来ます。以下が、その一例になります。

上記で、目標設定のプロセスは完了です。

参考までに、「イベント」を利用した設定も紹介しておきます。下記は、ファイルのダウンロードを目標設定した場合になります。

上記は「カテゴリ名」が「pdf_dl」の時に成果として計測するという形になっています。これは、リンクを以下のように変更することで実装を行っています。

<a href="ダウンロード先のURL" target="pdf" onclick="_gaq.push(['_trackEvent', 'カテゴリ名', 'アクション名', 'ラベル名',値,true]); ">

この中でカテゴリ名に「pdf_dl」を設定しておけば、このリンクが押されたときに目標が1つカウントされます。

なお、値を指定する際には「完全一致」以外に「正規表現一致」も利用することが可能です。

目標設定をすると見られるレポート

目標設定をすると、見られるレポートが増えます。以下が主なレポートになります。

  • コンバージョン率/目標別のコンバージョン率/平均目標値 などが指標として用意されている全てのレポートに値を追加
  • ソーシャル>コンバージョン のレポート
  • コンバージョン>目標>サマリー のレポート
  • コンバージョン>目標>目標URL のレポート
  • コンバージョン>目標>目標への遷移 のレポート
  • コンバージョン>目標>目標到達プロセス のレポート
  • コンバージョン>目標>ゴールフロー のレポート
  • コンバージョン>マルチチャネル>サマリー のレポート
  • コンバージョン>マルチチャネル>アシストコンバージョン のレポート
  • コンバージョン>マルチチャネル>コンバージョン経路 のレポート
  • コンバージョン>マルチチャネル>期間 のレポート
  • コンバージョン>マルチチャネル>経路の数 のレポート

目標設定を行うことで、初めて、どういう流入元・キーワード・コンテンツが成果に繋がっているかを把握することが出来ます。成果に繋がっているものと、成果に繋がっていないものを見つけ、良い集客やコンテンツを増やし、悪い集客やコンテンツを減らしていくことが、サイト改善の基本的な考え方です。目標設定なしでは実現できません。

また、「マルチチャネル」では、コンバージョンするまでに、ユーザーの流入元を遷移として追いかけることが出来ます。例えば、1回目にリスティング、2回目に自然検索、3回目にブックマークでコンバージョンした数や割合なども確認出来ます。集客し咲くのより具体的な評価に向いています。マルチチャネルに関しては、筆者のブログでも詳しく解説しています。

目標設定のTIPS

目標設定に関連して、知っておいていただきたい事をまとめてみました。ぜひ、参考にしてみてください!

  • 目標はそれぞれの目標ごとに1回の訪問で「1回」までしか計測されません。目標3の「資料請求」を1回の訪問で2回行っても、計測上は「1」としてカウントします。
  • 目標設定は「設定されたタイミング」から計測が開始します。過去にさかのぼって目標は集計されないので、目標が決まったらすぐに設定しましょう。
  • 目標設定は一度作成すると「消す」ことが出来ません。目標設定画面で「無効」にすることで、各種レポートで表示しないようにすることは可能です。
  • 使わなくなった目標を、別の目標で上書きすると、「上書きされたタイミング」から新しい条件で計測がされます。しかし、こちらも過去にさかのぼって再集計は行われないため、以前の条件での計測は残ってしまいます。可能な限り、目標は使いまわさないことをオススメします。
  • 目標設定時の「目標URL」及び「目標到達プロセス」は通常ドメインなしで記入しますが、「ページ」のレポートで計測できているURLとマッチしたものを設定するため、「ページ」のレポートのURLにドメインが入っている場合は、目標設定時もドメインを入れたURLを利用してください
  • 目標値のデフォルトの通貨は「ドル」になっています。「円」に変更するためには、「目標」タブと同じところにある「プロファイル設定」タブを押し、「通貨の表示」の項目を「米ドル」から「日本円」に変更をしてください
  • ECサイトの場合は、商品を購入完了した時の購入金額は人によって違うため、「目標値」を利用することは推奨しません。ECサイト用に独自に「eコマース」という売上げや購入した商品情報を取得する変数群 及び 実装方式があります。こちらは「目標」とは別に設定できるので、eコマースサイトの場合はこちらの機能を利用しましょう。具体的な実装方法は公式サイトをご確認ください
  • URLの目標の詳細で選択する「マッチタイプ」の条件(完全一致・部分一致・正規表現一致)は、「目標URL」だけではなく、「目標到達プロセス」で設定するURLにも同じ条件が適用されます

最後に

目標設定の重要さとその実装方法を中心に紹介をしてきました。目標設定を行うことで、はじめてGoogle アナリティクスでサイトの改善に繋がるヒントを見つけることが出来ます。目標設定をしていないアカウントがまだ非常に多いことを、筆者自身いろいろな場で体験しています。大きな企業や人気のサイトでも設定されていないまま利用されているのを何度も目にしてきました。

目標設定は一見難しそうですが、考え方はシンプルです。

「このサイトでは利用者に達成してもらいたい内容は何か」

「それはどのように表現できるのか(URL・クリック・滞在時間など)」

「それはいくらくらいの価値があるのか」

「その内容を設定する」

「設定した内容に対して、具体的な目標値を期間を設定する」

この5つを考えて実現できれば、ウェブアナリストとしては一人前と言えます!

目標設定が終わると、はじめて「集計」ではなく「分析」が出来るようになります。ぜひ筆者のブログで紹介している「アクセス解析を使ってサイトの課題を発見する12のステップ

にチャレンジしてみてください!きっと多くの気付きを得られるでしょう。

Google アナリティクスのデータを通じて、世の中に一つでも良いサイトが生まれることを期待しています!

過去の連載