自作PCの主な組み立て方を紹介します。

こちらは、AMDのソケットタイプの組み立て方になります。IntelのLGAタイプはCPUの取り付け方が少し異なります。
少し古いケースを用いていますので、一部組み立て方の順番が異なる場合があります。その部分は付記をしてあります。

必要な道具

  • 約20cmの長さの磁力のついたプラスドライバー
  • 必要に応じて、マイナスドライバー
  • 静電気を放出できる金属、器具等 (窓枠、水道の蛇口等)
  • 静電気の発生しない作業服
  • マザーボードの箱、及び包装
  • マザーボードのマニュアル
  • ケースのマニュアル
  • ネットに接続できる予備のパソコン、またはスマートフォン、携帯電話等
  • 自作PCが初めての場合、自作PC関連書籍
  • CD-R または CD-RW 1~2枚、または空いているUSBメモリ
DVD-R等でも構いませんが、容量を使いませんので無駄になります。
SSDのファームウェアを更新する時に、CD-Rが必要な場合があります。Windows上からアップデートできるツールもありますが、お勧めできません。

必要な部品

  • リテール版(Box版)のCPU
バルク品のCPUでも構いませんが、保証期間が短かったり、CPUファンが付属していない場合があります。
  • メモリ 最低でも2枚1組
  • マザーボード
  • ビデオカード (構成によっては不要な場合があります)
  • 電源
  • ケース
  • ねじセット
  • 結束バンド類の配線をまとめられるもの
結束バンドは100円ショップ等に売られています。仮固定をする場合は、新品のケーブル類や一部の菓子パン等ついてくる綴りひも(商品名:ねじりっこ)でも構いません。

あると良い部品、道具

  • CPUファン
  • EPS12V延長ケーブル
  • 放熱グリス(新品のリテールCPUクーラーを利用する場合不要)
  • ティッシュペーパー、ヘラ等(新品のリテールCPUクーラーを利用する場合不要)
  • できれば、指を洗う薬品 (アルコール、台所洗剤等)
指を洗う薬品は、新品のリテールCPUクーラーを利用する場合不要です。

自作PCを組み立てる前に

事前に、現在のマザーボードと現在のBIOSがCPUに対応しているか必ず確認します。

まれに、新品のマザーボードでも、CPUが新しい為にBIOSが対応していない場合があります。この場合は、一度古いCPUを取り付けてBIOSをアップグレードすることになります。不安な方は知り合いの方に頼んだり、店舗でのBIOSアップグレードサービスを受ける必要があります。

必ずしもBIOSをアップグレードする必要はありません。

また、memtest86+を実行できるCD-R、またはUSBメモリを作成し、可能であればマザーボードやビデオカード等の最新のデバイスドライバもインターネットからダウンロードして、DVD-RかUSBメモリに書き込んでおきます。

SSDを利用する場合、ファームウェアもSSD公式メーカーページよりダウンロードを行なって、CD-Rに書き込んでおきます。

また、自作PCを組み立てようとしますと、意外にもパーツをなくしたり、または、間違えて踏んづけてしまったり、外箱が整理がつかなくなってしまうことがありますので、ある程度部屋を整理してから始めることをお勧めします。

自作PCの組み立て方

STEP1:静電シートに部品を並べる

マザーボードの箱を台にして、その中にある静電シートの上にマザーボードを乗せます。

同様に、それ以外の部品も揃えておきます。

写真ではCPUはむき出しの状態ではありますが、精密部品でありソケットタイプの場合折れやすいいので、直前までケースの中に入れておきます。

この後、最初に仮組立を行ないます。

STEP2:仮組立を行う

CPUを取り付けます。

1.CPUソケットの固定用のレバーを解放する

2.CPUの向きを合わせてソケットに挿入

3.CPUソケットの固定用のレバーで固定

無理に力を入れて固定を行なわないで下さい。間違った方向に挿入されていた場合、修復不可能になります。

STEP3:CPUグリスを塗る

CPUグリスを塗ります。

新品のリテールCPUファンを使用している場合、グリスが下記の写真のように塗られていることがありますので、STEP4まで省略します。

1.CPUの中心にグリスを出す

CPUの中心に米粒大程度の大きさにグリスを出します。

2.グリスを塗り広げる

ヘラやティッシュ等を利用したり、指で直接CPUグリスを中央を中心に塗ります。

指で塗った場合は、手が荒れる原因になりますので、CPUファンの取り付けが完了したら、洗剤やアルコール等を用いて洗います。
しかし、道具を使用してグリスを塗るよりも、指で塗るほうのが確実です。

STEP4:CPUファンを取り付ける

CPUファンを取り付けます。

1. CPUの上にCPUファンを乗せる

一度、CPUの上にCPUファンを乗せます。

2.CPUクーラーの一端をはめ込む

CPUクーラーの一端をリテンションキット(CPUクーラーを支えるプラスチック製の枠)にある爪にはめ込みます。

3.もう一端もはめ込む

固定用レバーのあるほうの一端もはめ込みます。

はめ込みにくい場合は、上のほうから力を加えます。

4.完全に固定する

固定用レバーを押し下げ、完全に固定します。

5.結線する

CPUファン電源を結線します。

STEP5:メモリを取り付ける

メモリを取り付けます。

1.クリップを開く

メモリ両端にあるクリップを外側に開きます。

2.メモリを押し込む

メモリを向きを合わせて、真上から親指等でメモリを押し込みます。

3.クリップをはめ込む

クリップをメモリの両端にはめ込みます。

この時、無理に力を加えないで下さい。破損の原因となります。

STEP6:ビデオカードを取り付ける

ビデオカードをPCI Express x16 スロット等に取り付けます。

CPUとマザーボードの組み合わせによって、ビデオカードが不要な場合もあります。

STEP7:一度電源を配線する

そのままの状態で、一度電源を配線します。

使用するのは、ATX12V 24ピンコネクタと、EPS12Vコネクタです。ビデオカードにPCI Express 電源ソケットがある場合は、そちらも配線を行ないます。

EPS12VコネクタとPCI Express 電源の8ピンが類似していることがありますが、それぞれ違うコネクタですので、間違って無理やり差し込むことを行なわないで下さい。

EPS12VやPCI Express の電源は忘れがちな場合があります。動作しない!と思ったら、どちらかの電源が外れていないかを確認しましょう。

STEP8:初期不良の有無を確認

このような状態で、初期不良がないかどうか一度確認をします。

マザーボードのマニュアルの、システムパネルの部分のページを開きます。

その中にある、PWRSWやPWRBTN等と、同じ名称、または GND の位置を確認します。

そして、(電源を投入しないまま)ドライバーの先の金属を利用して、2つの端子が接触できるかを確認します。

(photo by http://www.asrock.com/index.jp.asp)

STEP9:電源を入れてみる

コンセントと電源ユニット、ディスプレイを一度接続して、その後、電源ユニットのスイッチをONにします。

その後、STEP6で確認した2つの端子をドライバーの先の金属を利用して接触させて、ディスプレイに一度表示をされるか確認します。

ここで表示できる画面は、エラー画面が表示される場合がありますが、表示がされていれば正常です。

表示が確認できたら、電源ユニットの電源スイッチを直接OFFにして、その後、コンセントから抜き、ディスプレイも外します。

この時点で動作しない場合、CPU、メモリ、ビデオカード、電源のいずれかの初期不良が考えられます。また、異音がした場合も初期不良と考えられることがあります。

STEP10:部品を一部取り外す

初期不良がないか確認できたら、電源コンセントやディスプレイを外して、ビデオカードも取り外します。電源ユニットとマザーボードの配線も外します。

ビデオカードを取り外す時、PCI Express x16スロットで以下の部分が固定されている場合がありますので、無理にひっぱらずに固定部分のロックを解除します。

この時点で、CPUとメモリは外す必要はありません。
STEP6からSTEP10までの仮動作確認を省略してもPCを組み立てて完成させることができますが、初心者の方にはお勧めできません。

STEP11:スペーサーを取り付ける

ケースにスペーサーを取り付けます。一度マザーボードをケースにあわせてみて、6個所、または7個所ねじが合う場所がありますので、そこに取り付けます。

スペーサーはきつく締めて下さい。

一般的に、スペーサー、及びねじ止めする位置は、以下のようになります。

不要な場所にスペーサーを取り付けますと、マザーボードでショートを起こしてしまい、故障の原因となります。

STEP12:I/Oパネルを取り付ける

I/Oパネルを取り付けます。
ケースの内側から押し込む形となります。

STEP13:PCI スロット等で使用する部分を開墾する

PCI スロット等で使用する部分で、蓋をされている部分をケースから取り外しておきます。

写真では全開墾を行なっていますが、必要な部分のみ開墾すれば大丈夫です。

電源ユニットの取り付け位置が、マザーボードの距離からかなり上部である場合か、下部に取り付ける場合、ここで取り付けます。STEP18に記載をしてあります。

STEP14:マザーボードを取り付ける

マザーボードをケースに取り付けます。取り付ける時にはインチねじを使用します。

ねじを取り付ける時には、まず軽く締めます。その後、対角線上にバランスよくネジを締めて固定しますが、あまりきつく締めないようにします。

STEP15:その他部品を取り付ける

ハードディスク、SSD、光学ドライブをケースに取り付けます。

SSDの場合、2.5インチサイズしか販売されていない為、一般的には写真のようなマウントキットがSSDに付属してきますので、これを利用しますが、付属しない場合もありますので、別途マウントキットを購入して取り付ける必要があります。

ハードディスクの底面に露出している基盤には素手で触らないようにして下さい。

ケースのドライブベイには、ハードディスク、光学ドライブ等を受けるガイドレールがあり、このガイドレールから外れないようにして取り付けます。

ケースによって、より便利に取り付けられるようにする為に、この方法で取り付けられない場合があります。詳しくはケースのマニュアルを参照して下さい。

STEP16:シリアルATAケーブル等を配線する

ハードディスク、SSD、光学ドライブ等のシリアルATAケーブル等を配線します。

先に電源を取り付けた場合、ここでハードディスク、SSD、光学ドライブ等の電源も接続をします。

STEP17:PC内部のケーブルを接続

PC内部のケーブルを接続します。先に開いたマザーボードのマニュアルの、システムパネルの部分のページを参考にして配線をします。

必要であれば、USBケーブル、フロントパネルオーディオケーブル等も接続を行ないます。

USB2.0ケーブルとUSB3.0ケーブルは異なります。

STEP18:電源を取り付ける

電源を取り付けます。

電源のスペースがかなり上部にある場合や下部にある場合は、STEP13で取り付けを行ないます。

赤丸の4か所にインチねじでねじ止めをしますが、ケースによっては3か所、または2か所の場合もあります。

その後、ATX12V電源、EPS12V、ハードディスク、SSD、光学ドライブの電源を接続します。

電源の配線がしずらい場合、先に配線したシリアルATAの配線を一度取り外してから配線をするとしやすくなります。

STEP19:ビデオカードを取り付ける

ビデオカードを取り付けます。

PCI Express 電源が必要なビデオカードは、忘れずに配線をします。

STEP20:動作チェックを行う

ケースを閉じないまま、この状態で再び動作チェックを行ないます。

電源コンセントとディスプレイを接続して、電源ユニットの電源をOnにしてから、ケース表面の電源スイッチを押して、起動画面が表示されることを確認します。

この時点で動作しない場合、初期不良よりも組み立てミスが考えられます。もう一度ばらしてからSTEP1からやりなおして、それでも動作しない場合は購入店等に相談をしてみます。
この時点で異音がした場合、一度配線をファンから遠ざけてみます。

STEP21:配線を確認して最終確認

ケースファン等の配線を最終的に行ない、ケースを閉じて、最後の動作確認をします。

この時点で配線をきれいに整理するために、結束バンド等で固定をしたり、EPS12V配線を延長をしてから裏側に持って行き、表側から配線が見えないようにする工夫もすることができます。

STEP22:BIOSの設定を行う

BIOSの設定を行ないます。最低限必要な主な設定項目は以下の通りです。

  • HDDまたはSSDのストレージモード:ACHI
同一のHDDやSSDを利用して冗長化をする場合、または高速化する場合、またはIntel SRT機能を利用する場合はRAIDになります。IDEのままでも動作をしますが、パフォーマンスが出ません。
  • 光学ドライブのストレージモード:IDE
AHCIでも問題なく動作をします。
  • メモリの周波数:購入したメモリの規格に合わせます。デフォルトでも動作をしますが、パフォーマンスが出ません。
  • メモリの電圧:通常デフォルトですが、購入したメモリに合わせます。電圧設定が正しくないと、システムが不安定になります。
  • メモリの詳細のタイミング:通常は設定不要ですが、メモリによっては設定が必要です。設定が必要な場合、忘れるとシステムが不安定になります。
  • 起動デバイス:光学ドライブ→HDDまたはSSDになるように設定をします。
  • CPUの設定 (Intelの場合):SpeedStepが無効になっている場合があるので、有効にします。
  • CPUの設定 (AMDの場合):Cool'n'Quietが無効になっている場合があるので、有効にします。

STEP23:memtest86+を実行

OSをインストールする前に、必ず memtest86+を実行します。

NANAPI:65194

memtest86+の実行の為に、USBメモリを優先起動デバイスにした場合、再びBIOSの設定に行き、設定を戻します。

STEP24:ファームウェアを更新

SSDである場合、ファームウェアをここで更新します。一般的には、SSDを取り付けておけば、書き込んでおいたCD-RからPCを起動して、指示に従います。

更新されたファームウェアが存在しない場合がありますので、その場合はここはスキップします。

SSDのファームウェアを書き込む時は、絶対にPCの電源を落としたり、PCの内部を触らないようにして下さい。SSDが使えなくなる可能性があります。

STEP25:OSをインストール

OSをインストールします。Windowsの場合の簡単な説明です。

  • 光学ドライブにWindows インストールメディアを挿入する。
  • 最初のインストールの時点で,HDDまたはSSDが認識していない場合 (特にRAID設定がされている場合) ストレージ用のドライバを要求されるので、マザーボード付属の光学メディアに入れ替えて、ドライバの位置を選択してからインストールを続行する。
  • Windowsのインストールを最後まで完了する。(何度か入力を求められたり、再起動があります)
  • マザーボードに付属している光学メディアを光学ドライブに挿入して、全てのデバイスドライバーをインストールする。
  • ビデオカードに付属している光学メディアを光学ドライブに挿入して、グラフィックドライバーをインストールする。
  • その他、導入したハードウェアのデバイスドライバをインストールする。
事前にインターネット上から、新しいドライバを入手してある場合は、そちらのドライバのインストールを行ないます。

トラブルが起きたら?

最初の動作チェックで動かなければ、購入店に相談をします。

異音が発生したら、異音の原因をまず突き止めて、配線であればいじってみます。配線でない場合は購入店に相談をします。

それ以外にも、マザーボードメーカーのWebページで対応しているCPUに対するBIOSであるかを確認し、もしそのBIOSより現在のマザーボードのBIOSのバージョンが低いと思われるなら、BIOSをアップグレードをします。アップグレードを行なえない環境、または不安な場合は、購入店に相談をします。

その他、動かない場合は、知人やQ&AサイトのOKWave、または教えてgooに質問されても構いません。

もしくは、ニコニコ生放送で自作相談放送を有志が行っていることもあります。

BIOSのアップグレードの方法

BIOSのアップグレードを行なう時は、絶対にPCの電源を落としたり、PCの内部を触らないようにして下さい。SSDが使えなくなる可能性があります。
必ずしも、BIOSのアップグレードを行なう必要はありません。
BIOSのアップグレードの方法の詳細はマザーボードのマニュアルを確認して下さい。この記事では概要のみ記述します。

STEP1:BIOSファイルをダウンロード

マザーボードメーカーよりCPUに対応したBIOSファイルをダウンロードをします。

STEP2:ファイルを解凍してUSBメモリにコピー

ダウンロードしたファイルを解凍して、USBメモリにコピーをします。

古いマザーボードの場合、フロッピーディスクで更新を行なう必要がある場合があります。その場合、MS-DOS起動フロッピーをWindowsのフロッピーディスクの初期化で準備した後、BIOS書き込みプログラムもフロッピーディスクにコピーする必要があります。

STEP3:BIOS更新プログラムを起動

USBメモリをPCに挿入してPCを起動し、BIOS設定画面に行き、BIOS更新プログラムを起動します。 (●●●-Flush等と記載されているのは、該当します)

詳細はマザーボードのマニュアルをご確認下さい。
古いマザーボードのい場合、フロッピーディスクからMS-DOSを起動して、BIOS更新プログラムを実行します。詳細はBIOS実行プログラムの説明を確認して下さい。
BIOSの更新をWindows上からアップデートできるツールもありますが、お勧めできません。

STEP4:更新BIOSのファイルを指定

BIOS更新プログラムを起動したら、USBメモリから更新BIOSのファイルを指定します。

STEP5:更新

BIOSの更新を行ないます。絶対に電源を切ったり、PCの内部を触らないで下さい。

STEP6:USBメモリを外して再起動

終了したら、USBメモリを外して、再起動を行ないます。

STEP7:うまくいかないときは

万が一BIOSを更新できなく、PCが起動できなくなった場合、マザーボード添付の光学メディアを入れておくと、自動的に復帰できる場合があります。
これで復帰できない場合は修理となります。

ねじを組み立て中のパソコンの中に落としてしまったら?

まずは、落とした場所の近辺に、磁力のあるドライバーを近づけてくっつけて引き揚げようとしますが、もしそれでも出てこないようであれば、一度落ちそうなパーツを外してから、ケースごと逆さにします。

おわりに

かなり長いステップでの説明になりましたが、自作PCを作るには最低限のハードウェアの知識が欲しいです。

ですがその多くはインターネット等で入手できるものの、やはり本があるのが一番の便りであるかもしれません。

自作PC関連書籍が手元にあると、もしインターネットに接続できなくても、何かあった時に役にたつかもしれません。

また、本当に自作PCが初めてである場合、紙の説明を添付してくれるドスパラをお勧めしますよ。

一部の写真に、ドスパラで購入した紙の説明より撮影した画面があります。

(Photo by 著者)