日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」が主催している、プログラミングとデザインのイベント「HACK U」。これは学生を対象に開催されるもので、「誰にも負けない!」と自負するセンスでアイデアを考え、みずからのプログラミング技術で作品を作り、プロの前で披露し、評価してもらうイベントである。

類を見ないアイデア作品

個人やグループで学生たちが参加し、優秀な作品には賞金(Tポイント数万円分!)や名誉がもらえる。2016年はすでに東京大会が開催されており、つい先日は名古屋大会が開催、今まで類を見ないアイデア作品が多数披露されかなりアツイ場となった。

Hack U Student Hackathon - Yahoo! JAPAN

プログラミングやデザインを通して、あなたのアイデアを形にしてみませんか?Hack U(ハック・ユー)は、学生のための「ものづくり体験イベント」。世界中のYahoo!で開催されている開発コンテスト'Hack Day'をベースに、Yahoo! JAPANと教育機関が共同開催しているのが「Hack U」。ものづくりの楽しさに出逢う機会となるよう、Yahoo! JAPANの現職社員がみなさんをサポートします。

hacku.yahoo.co.jp

決勝大会に勝ち進め!

「HACK U」名古屋大会は、2016年9月25日に開催された。このイベントは仙台や大阪、福岡など日本各地で開催され、ヤフー執行役員を含む数人が作品を審査! 各地の優秀作品が東京で開催される決勝大会「Hack Day 2017 学生部門」に進出できる流れとなっている。

際立つセンスで人々に衝撃を!

クリエイターを目指す学生たちにとって、絶対に負けられない戦いがそこにあるのだ! いや、勝ち負けというより、際立つセンスで人々に衝撃を与えることを目的としていると言ったほうが適切かもれしない。今回は、「HACK U」名古屋大会で特に未来を感じた6作品をご紹介したいと思う。

特に未来を感じた6作品

1. 姫ソムリエ (グループ: うなぎさんチーム)

女子の写真を撮影することで、その女子の「オタサーの姫」レベルを確認することができる画期的なアプリだ。

しかもこれ、けっして単なるお遊びアプリではない! 画像認識技術「DeepLearning」を駆使し、膨大なオタサーの姫データからと被写体画像を分析し、結果を導くのだ。ちなみにオタサーの姫の定義は「童貞を殺す服を着ているかどうか」とのこと。

このアプリを使用することにより、サークルクラッシャーや地雷等のトラブルを未然に防ぐことができるだけでなく、女子が自分で自分を撮影し、オタサーの姫レベルを確認することも可能のようだ。

それにしても、どうしてこのアプリを作ろうと思ったのだろうか。過去にサークルをクラッシュされた被害経験でもあるのだろうか。そのあたり、突っ込んで聞くことはできなかった……。

2. ReScuver (グループ: Can't Find iPhone)

スキューバーダイビングや素潜りなど、マリンスポーツは非常に魅力的で楽しいもの。しかし水中でのトラブルはとても恐ろしい。仲間とはぐれてしまったり、呼吸のトラブルが発生した場合、命にかかわるトラブルに発展する。

そんなとき助かるのがこのアプリ「ReScuver」。もしかするといつか、あなたの命を助けてくれることになるかもしれない。緊急時、完全防水のケースに入れられたスマホを操作してヘルプ信号を仲間に送信することができるのだ。

しかも機能はそれだけではない。ケースには空気が入ったボールが搭載されており、水中で手を離すと浮上し、水面で電波を発するのである。それにより、「ReScuver」をインストールしている仲間全員にヘルプ信号が届き、緊急事態であることを伝えることができるのである。

ちなみに、ふだんは写真や動画を撮るアプリとして使用できる。よって、水中で撮影中、いちいちアプリを切り替えることなくヘルプ信号を出すことができるのである。

3. Sin-Go (グループ: 商船Boys)

公道で信号機が青になるのを待つ時間、イライラしたことはないだろうか。「いったいどれだけ待たせるんだ!」と思ったことはないだろうか。最近は信号が変わる目安をメーターで表示する信号機も増えているが、それでも正確な時間を把握することはできない。

そんなときに便利なのが、「Sin-Go」である。秒単位で信号が変わる時間を表示してくれるのだ。これさえあれば「今から走って駅に向かっても信号で1分待つから間に合わないし歩いていこう」「まだ青にならないからスルーしてひとつ向こうの信号機を渡ろう」なんて行動も可能である。

信号が変化する時間は、「Sin-Go」のユーザーたちが自分で計測してデータを登録し、他のユーザーと共有する。つまり信号の時間データはユーザーたちが作っていく。場所によっては時間帯によって信号の時間が変化するので、そのあたりは課題として解決する必要がありそうだ。

4. CHOISTAR☆ (グループ: 女バレ!)

運動会で「自分の子どもが活躍しているシーンが撮りたい!」という人は多いはず。しかしタイミングが悪くて撮影できなかったり、複数のアングルで撮れなかったりと、いろいろと不満をもっている親御さんも多いのではないだろうか。

そんなときに活躍するのが「CHOISTAR☆」である。あらかじめ複数のポイントにカメラを設置しておき、ずっと録画状態で動画をアーカイブ化。あとから見たい時間帯や場所をチョイスし、引き出して保存、視聴することができるのである。

これにより、自分の子どもが活躍しているシーンだけを抜粋できるだけでなく、さまざまなアングルからも視聴可能。実用的かつ「将来求められるシステム」といえるのではないだろうか。

5. ガイドマップ (グループ: マロン)

最近のアプリはさまざまな情報を提供してくれるが、グルメ、映画、買い物など、それぞれが独立したアプリであることが多く、いちいち切り替えが面倒だったり、スマホにアプリが増える一方で邪魔! という人もいるのではないだろうか。

そんな人にオススメしたいのが、アプリ「ガイドマップ」である。非常にシンプルすぎる名称だが、地味ながらも同様のアプリはあまり存在しない。いまの気分を選択することで、周囲の「気分にあったスポット」を教えてくれるのである。

たとえば、お腹すいた、ショッピングする、まったりする、駅に行くなど、そのときの気分を選ぶだけで、適切な場所を地図上に表示して教えてくれるのだ。これだけでグルメもショッピングも癒やしスポットもなんでもOK! しかも「何でもいいなー」という気分まで用意されている。何でもいい……。いったいどんな場所が案内されるのか興味深い。

6. ヲタフク (グループ: おでん.gif)

オタクはファッションが適当すぎる! ダサい! 爆発しろ! などと言われていた時代もありました。しかしこれからは、オタクもファッショナブルになるべき時代。このデバイス「ヲタフク」さえ使えば、ダサいオタクファッションから脱却できるかもしれない。

まず最初に、自分が持っている服(トップスやボトムス)を撮影し、「ヲタフク」にデータを登録する。最初は面倒かもしれないが、「これでモテるようになるかもしれない!」という情熱をもって頑張って登録する。あとはもう簡単! 天気、気温、ラッキーカラーなどから自動的に「今日着る服」をコーディネートしてくれるのだ!

「センスがない人はセンスがない服から選ばれるんだよね」という身も蓋もない言葉は禁句である。こういうデバイスを使用することにより、ファッションに対して関心を示すようになるのがいちばん重要なのだ(良いこと言った!)。ちなみに、この作品が最優秀賞に選ばれた。

個性が際立った

ここまで6つの作品を紹介してきたが、全12作品にイマイチな作品はひとつもなかった(お世辞抜きで)。また、個性が際立った作品が多いようにも感じた。

スーパーファミコンのドラクエのようなグラフィクスで、近くにいる同じ趣味の人と出会うことができる「オートマチック・オタク・マッチング」(グループ: 天伯之城)は新しいコミュニケーションのかたちを垣間見せてくれた。

読むのが怖い上司からのメールを怖くない状態に変換してくれる「Y(asasii)Mail」(グループ: 静岡のペンギンさん)、は非常にユニークでエンターテインメントとして強い可能性を感じた。

優秀な作品ばかり

全12作品、そのプレゼンテーション中、1秒たりとも退屈に感じなかった。実用性、個性、そして未来を強く感じさせるアイデア。「HACK U」名古屋大会は、東京大会に勝るとも劣らない優秀な作品ばかりだったといえるだろう。

繋がりを広める場

緊迫&白熱した闘いのあとは、チーズたっぷり宅配ピザでパァァァリィィィィィーーーピィーポォォォーーー! ウェーーイ♪ さっきまでライバル(?)だった学生同士で懇親会を開催。雑談をしながらもお互いの技術やアイデアなどを話し、交流を深めていた。そう、「HACK U」は技術の披露だけでなく、繋がりを広める場でもあるのだ。

記者は味噌カツを食べる予定なのでピザは食べなかったが、ピザを食べつつ熱く語り合う学生たちが眩しく見え、そして羨ましく思えた。きっとここから、日本を、世界を動かす「何か」が生まれることだろう。

記者はそんな作品の数々に興奮してしまい、味噌カツを食べ忘れ、仕方なく売店で買った串カツを新幹線で食べながら帰路についたのであった。ピザ食べればよかった……。

(image by 筆者)

取材・交通費協力: Yahoo! JAPAN