2016年10月27〜30日の期間、ポケモンGOに熱狂する人々の熱波も届く日本未来科学館において「デジタルコンテンツEXPO 2016」なるイベントが開催された。

こちらではVRの最新技術はもちろんのこと、3D映像やAI(人工知能)など、世界の最先端のデジタルコンテンツ技術が集結! VRをはじめとしたさまざまなデジタルコンテンツのさらなる明るい未来を感じさせてくれる内容となっていた。

今回は「デジタルコンテンツEXPO 2016」に出展されていた企画展示の中でも、特に印象的だったものを中心にレポートする。

ユニークな企画展示が目白押し!

「デジタルコンテンツEXPO 2016」の会場となったのはお台場の日本未来科学館。会場の周辺ではスマホを片手に'ポケモンGO'に没頭する人々が非常に多く見受けらた。

ポケモンGOはプレステVRと並び、今年1年で普及した新しいコンテンツ技術のひとつ。昨年の段階では想像もつかなかった新ジャンルのスマホゲームである。

しかし会場内での様々な企画展示は、いまだかつて見たこともないような技術を駆使したものが目白押し。近い未来、また新しいデジタルコンテンツとして人々に浸透することを期待せずにいられないものばかりであった。

特に印象的だった企画展示を紹介

「デジタルコンテンツEXPO 2016」には50を超える企画展示が行われていたが、その中でも特に印象的だったものを紹介しよう。

Sky Magic / 株式会社マイクロアド

こちらはLEDライトを装着した25台のドローンが音楽に合わせて編隊飛行を行う「Sky Magic」という新たな空間デザインパフォーマンスだ。富士山をバックに行われたデモンストレーションの映像はまさに圧巻! 美しく光を放つドローンが自由自在に空を舞い、光のパフォーマンスを行うのである。

空間を使った美しい光の演出といえば夏の花火大会が広く親しまれているが、将来的には花火をも凌駕する存在になり得るだろう。今後の展開に注目したい。

全天周ドリームシアター

VR映像を見るためにはヘッドセットの装着が不可欠であるが、「デジタルコンテンツEXPO」ではヘッドセットがなくてもVR的体験を可能にすることに取り組んだ企画展示がいくつか見受けられた。そのうちのひとつがこの「全天周ドリームシアター」である。

まるでプラネタリウムのようなドーム型のスクリーンに、専用のカメラで撮影した高解像度の動画を投影することにより、ヘッドセットを装着せずとも360度の映像に囲まれることができるのである。まだまだ改善点は多いとのことだが、将来的にスポーツやコンサートのパブリックビューイングなどで活用されれば、実際の会場と同様の臨場感を得られるはずだ。

4K3DVR バーチャルデート / 株式会社リ インベンション

VRを駆使してアイドルとのデート体験ができるコンテンツはすでに多く開発が進められているが、こちらの作品は4K一眼レフカメラを使用した3DVR撮影された作品となっていた。

映像を確認して驚いたのは、VRと3D映像、そしてグラビアアイドルという3つの相性が抜群であるということだ。あまりにもリアルなのである。男性であれば思わずニヤつかずにはいられない。

DVDで見るグラビアアイドルのイメージムービーはあくまで平面でしかなかったが、この組み合わせはグラビアアイドルの存在がグッと身近に感じられるのだ。近い未来に間違いなく普及するVRコンテンツのひとつとなるだろう。

オムニジャンプ / 株式会社ハラシス

こちらはヘッドセットを装着して体を動かすゲーム「オムニジャンプ」。空中に浮かぶ風船を割っていくゲームという、仕組みは非常にシンプルなゲームなのだが、その操作方法は非常に斬新なものであった。

特殊なゴムを装着し、トランポリンの上で高くジャンプしながらゲーム操作を行うのである。ゲームの中だけでなく、現実世界でもかなりの高さまでジャンプして操作をするのだ。

連続ハイジャンプでの操作はいまだかつてないスケールでの爽快感があり、それと同時に運動をした後特有の気持ち良い疲労感も残る。自宅でプレイすることは不可能だろうが、アミューズメントパークなどに導入されればかなり魅力的なアトラクションになりそうだ。

Unlimited Corridor / 東京大学大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室 ユニティ テクノロジーズ ジャパン合同会社

こちらでは高さ200メートルのビルの屋上にある狭い足場を歩いて風船をキャッチするというVR体験を行うのだが、その仕組みが非常にユニークであった。人間の錯覚をうまく利用し、実際には部屋に設置された円形の壁に手を添えて曲がりながら歩いているのだが、VR映像を見ながらだとまっすぐ長い距離を歩いている気になるのである。

長い距離を歩いたり走ったりするようなVR体験をするためには必ずしも広い空間が必要になるというわけではない。錯覚を利用すれば狭い空間でも広く感じさせ、そして空間内を無限に歩くことさえ可能なことを示した素晴らしい企画展示であった。

失禁体験装置 / 電気通信大学 ロボメカ工房 VR部隊失禁研究会

そして今回の「デジタルコンテンツEXPO 2016」において、間違いなく最も問題作だったのはこの「失禁体験装置」だろう。失禁体験装置を装着することにより、失禁の疑似体験ができるというのだ。

装置を稼働させると下腹部が締め付けられ、全身が身震いし、股間から温かい液体があふれ出るという一連の流れが忠実に再現されている。何の役に立つのかわからないが、あまりにも高すぎるクオリティだ。完成度を追求するため、何度も実際に失禁をして確認を行ったという情熱には拍手を送らざるを得ない。

ただ、この装置を開発するにあたって唯一問題だったのは、「失禁研究会」が男子メンバーのみで構成されていること。女性にとってリアルな失禁になっているか確認するすべがないのである。女性メンバーが見つかることを祈ると同時に、彼らがセクハラで訴えられたリしないようにも祈っておきたい。

8K3D映像+22.2ch立体音響を駆使したド迫力のライブ映像

最後に紹介するのは、今回の「デジタルコンテンツEXPO」での目玉と位置付けられた、8Kスーパーハイビジョンによる3D映像と22.2chサラウンドを駆使したサカナクションのVRライブ映像だ。

ヘッドマウント・ディスプレイの装着は必要とせず、代わりに簡易的な3Dゴーグルを装着するのみ。シアター全体がVR空間となり、圧倒的なサウンドも相まって全身でバーチャル体験ができるのである。

イベントの目玉とあって、会場は各回かなりの賑わいを見せていた。そしていよいよ上映スタートである!

8Kスーパーハイビジョンの3D映像の高精細さを感じられるようなムービーを挟みつつ、レーザー照明による演出も交えたサカナクションのライブ映像は、まさに本人たちが目の前で演奏を行っているかのようなド迫力! これはスゴい!! 会場には平面のスクリーンしかなかったはずなのに、手の届く場所にステージがあり、サカナクションのメンバーが立っているように見えるのだ。

現在も映画館でコンサートの生中継が行われることがあるが、この映像技術が普及すればシネマライブがより価値の高いものとなるだろう。

デジタルコンテンツの未来を感じた

「デジタルコンテンツEXPO 2016」を通じ、VRをはじめとしたデジタルコンテンツのさらなる未来への可能性を垣間見ることができた。2016年はVR元年と呼ばれているが、まさに始まりの年なのだ。これから先、今の我々が想像をすることもできないような新しいデジタルコンテンツが次々と生まれてくるに違いない。そう確信させてくれるイベントであった。

(image by 筆者)