デザイン・アート・ミュージック・ファッション・インタラクティブなどなど、華やかなクリエイティブコンテンツが一堂に会するイベント「TOKYO DESIGN WEEK 2016」が今年も明治神宮外苑の絵画館前にて開催となった。

10月26日から11月7日の2週間に渡って前期・後期と分かれて開催となるが、今回は前期の様子をレポートする。ちなみに、11月1日は入替日のため終日閉場だ。重要だからもう一回言う。11月1日はやってない! 入れない!

解放感溢れる会場に独創的な展示がいっぱい

「TOKYO DESIGN WEEK 2016」の会場に足を踏み入れると、屋外の開放的なスペースをたっぷりと使用した展示が多数設置されていた。

展示はデザインを見て楽しむだけでなく、実際に触れて自由に遊んだり体験できるような展示が多いため、子どもたちをはじめとした多くの人たちが楽しそうにしているのが印象的だった。

正直、幼いころから研ぎ澄まされたコンテンツに触れられて羨ましいと思ってしまった。ただここにいるだけで刺激を受け、感性が芽生える。そんな環境にいるこの子たちは、未来を担うクリエイターとして成長するかもしれない。

他にも屋外には北海道の食材を使用したフードコートや、J-WAVEが主催するライブステージなどがあり、イベントに花を添える形となっていた。そう、「TOKYO DESIGN WEEK 2016」は展示だけにとどまらない、まさに「なんでもあり」のデザイン祭りなのである!

月面探査機ローバーの操縦体験

屋外展示のなかでもっとも注目すべきは、月面探査機ローバー」を実際に操縦体験できるブースだろう。

操縦と言っても、大規模なコックピットがあるわけではない。なんとタブレットを使って簡単に操縦ができてしまうのである。上手に操縦するにはコツと慣れが必要ではあったが、お子様でも片手で簡単に月面探査機を操縦できるとあって、こちらには多くの子連れ家族が列を形成していた。これはとても良い経験として記憶に残ることだろう。

2016年は「VR元年」といわれるほどVRが世間に広まった年であり、VRで月面探査ができる日も遠くはないと思われる。そんななか、リアルに機器を目の前にして、擬似的な月面探査を体験できるこのブースは、ある意味「リアルVR」ともいえよう。

最新技術とデザインを融合させたスーパーロボット展

メインテント内では様々な企画展示が行われていたが、その中にはデジタル技術やVRなどの映像表現を取り入れた展示も多く見受けられた。その中でも特に技術力で圧倒していたのが「スーパーロボット展」である。

こちらは株式会社村田製作所の「チアリーディング部」と冠されたロボットである。倒れそうで倒れない絶妙なバランスをキープしながら、他のロボットとの距離感をしっかりキープしつつ行うパフォーマンスは圧巻であった。

仕組みとしては、ロボット1台1台に搭載されたセンサーと通信技術の精度の高さが完成度の高いパフォーマンスを実現させているそうだ。

他にも、実際に動作している様子は見れなかったが布製ボディの自動車(株式会社rimOnO)など、見た目だけでも楽しめる展示が多いのは、このイベントならではだろう。それだけに、スーパーロボット展では様々なブースで人だかりができていたのが印象的であった。

2016年現在、ガンダムやマクロスとまではいかないが、このような小規模な技術から、数百年後の「ロボット技術」に繋がるのは間違いない。

VRを使用し「新しい暮らし」を提案する

新しい暮らしの価値観を提案する「クリエイティブライフ展」は、このイベントのメインコンテンツと位置付けられている。その中でもパナソニックのブースではVRを使用した展示を行い、多くの来場者からの注目を集めていた。

もともと不動産やハウスメーカーなど、住居関連とVRの相性は良いとされているが、パナソニックが提唱する「ふだんプレミアム」を紹介するムービーも効果的にVRを駆使していた。

VR体験者は住居の中の映像を360度見回せるようになり、その住居の中のあらゆる場所で家電や空間の新しい使用方法が提案されているのだ。家一軒分のスペースを必要とするような大規模な展示を、VRを使用することで同様の表現をコンパクトなスペースで実現しているのである。

「TOKYO DESIGN WEEK 2016」のようなイベントでVRを駆使し、狭いスペースで規模の大きな展示を行うという方法は間違いなく今後増えていくだろうと感じさせる展示であった。

顔認識機能を活用した「変身歌舞伎」

屋外で貨物用コンテナを利用して行われていた「スーパーコンテナ展」の中のひとつ、「変身歌舞伎」も非常に魅力的な企画となっていた。

歌舞伎のお面を顔にかざした状態でカメラの前に立つと顔が認識され、お面と顔の合成が行われるのである。

合成された顔は本人とは認識できないレベルにまで加工され、SNSアカウントに投稿されたり、コンテナ内の巨大顔オブジェクトにリアルタイムでプロジェクションマッピングをされたりするのだが、それらが一連の流れとなってスムーズに処理される仕組みに技術の高さが感じられた。

ちなみに、類似した技術はすでに北米で野外モニターに起用されており、たとえばニューヨークのマンハッタンでは街を歩く人たちを自動的に撮影し、CGキャラクターと合成し、リアルタイムに巨大スクリーンに映すという試みがされている。いわゆるMR技術だ。

魅力的な展示が目白押し! デザインの祭典を楽しもう!

他にも数多の展示が行われており、あまりに圧倒的なボリュームであるため、そのすべてを見て回るのは至難の業。

「TOKYO DESIGN WEEK 2016」の開場時間は午前11時から午後9時までとなっているが、イベントのすべてを堪能するにはそのくらいの時間が必要になってくるかもしれない。このイベントは、クリエイティブな展示を身近なエンターテイメントに昇華させた、まさにデザインの祭典なのである。

洗練されたデザインに触れられる

デザインやクリエイティブコンテンツに興味がない人や、ちびっ子でも純粋にお祭りとしてイベントを楽しみつつ、洗練されたデザインに触れることができるとても良い機会になるだろう。11月7日まで開催されているので、家族や友人、恋人同士で足を運んでみてはいかがだろうか。

(image by 筆者)