CEATEC JAPAN 2016」が10月3日から7日まで、千葉・幕張メッセで開かれた。VR元年と言われる今年は、最新の最新のテクノロジーやソリューションが集結するCEATECでもやはりVR/ARを使った展示が目立っていた。

子供のころの遊びの延長

その中でも突出してアクティブな展示をだったのが、株式会社meleapと超人スポーツ協会が開発した「HADO」。プレイヤーは、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とアームセンサーを装着。現実空間にAR(拡張現実)を重ねた、大迫力の映像を見ながら行うスポーツアトラクションだ。

ここで体験できるのは「HADO対人戦」。プレイヤーが腕を前に突き出すとエナジーボールを発射して攻撃。腕を下から上に思い切り振り上げればバリアを発動して回数制限ありの防御。飛んでくる対戦相手のエナジーボールは、実際に自分の体を動かして避けねばならない。

体の動きは後ろにある大きなバックボードとアームセンターをもとに位置を割り出しているようだ。まさに子供のころによくやった「ドラゴンボールごっこ」なんかに近い感覚のゲームなのである。

モニターで見ると超カッコイイ

ブース内のプレイフィールドでは、スーツ姿の男性たちが2人対2人で対戦をしていた。全員が意味不明の動きをしており、傍から見ればかなり滑稽だったのだが、カメラでリアルタイムで撮影された映像を見た瞬間、その印象は吹き飛んだ。

モニターに映っていたのは、プレイヤーとARを重ねた第三者視点の映像。本人たちが見えているであろうAR世界が再現されていたのだった。その映像の中でサラリーマンたちは戦士となり、その手からドラゴンボールの元気玉みたいなものをバカスカ打ちまくっている。……なんかカッコイイ! 私もやりたい!!

知らないサラリーマンが相棒に

なんと、あっさりと待ち時間0分で体験できた。私はこの日、1人で取材に挑んでいたため、ペアを組む相手はいない。初対面のサラリーマンがチームメイトとしてあてがわれたものの、このゲームは初心者同士のタッグプレイはかなり難しい模様。結果、互いに完全な個人プレイを貫いたため、特にこれといったコミュニケーションはとっていない。

この手から元気玉を出せる

手にアームセンサーが巻かれた。これにより私は、自らの手から元気玉を打てるようになったのだ! 沸き立つ万能感に顔がニヤつく。この時の私は、ベジータばりに不敵な笑みを浮かべていただろう。いや、ベジータだと元気玉は出せないが。

対戦スタート!

周囲からの好奇の視線も、HMDを装着してしまえば全く気にならない。私の視界に入っているのは対戦相手、そしてARエフェクトにより目の前に浮かんでいる(ように見える)照準を定めるための的のみ。いざ、対戦スタート!

元気玉ぶちかましてやった

そこからは無我夢中だった。掌に元気玉を作り上げては投げ、作り上げては投げ。私はこの手のゲームが得意でない上に愚鈍なので絶対負けると思っていたのだが、どうやら対戦相手が慣れないAR映像に四苦八苦しているらしく動きが鈍い。非情な私は思い切り食らわせてやった。元気玉を。

ゲーム終了30秒前は、両手から無尽蔵に元気玉を出せる状態になる。未だに要領を得ない対戦相手に元気玉の集中砲火を浴びせ、追い込んでいく。遠くから聞こえる、審判兼ナレーターが「パープル優勢!」と叫んでいる声が聞こえた。パープルは私の方のチームだ。「ついにやった」。そう、私は勝利を確信した。

そして伝説へ

試合終了のコールが響き、結果発表となった。途中の実況の通り、私のパープルチームが勝利した。清々しい気分だった。

「HABO」は体を常に動かす上に相手の動きに集中するため、VR酔いが発生しにくいらしい。ARで表示された的や数値も、本当にそこに浮かんでいるかのように感じられるほど、妙なリアリティがあった。さらに映像への没入感。そして臨場感。ここまで得も言われぬ興奮をぞんぶんに味わうことができたのはとても貴重な経験だった。

「HABO」には、この対戦ゲームのほかにも、モンスターと戦うパターンやゴーカートレースもあるようなので、ぜひ機会があれば再び挑戦したいと思う。

ちなみに、今この記事を書きながら気づいたのだが、私の点数は3000点だったようだ。そして対戦相手は0点。あんなに夢中になったのに……世紀のクソ試合であった事実を知ってしまったことが無念でならない。

(image by 筆者)