VRヘッドセットを通して体験する世界では、ゲームや映画に放り込まれたような感覚を味わえます。五感をより一層刺激してくれるVRそしてARは、底知れない魅力を秘めています。

そんな中、ARが現実世界を支配した未来世界を描いたショートムービー『HYPER-REALITY(ハイパーリアリティ)』が今話題に。ロンドンで活躍する映像デザイナーのKeiichi Matsuda氏が制作を手がけています。

『HYPER-REALITY』のあらすじ

このショートムービーの時代設定は、日常にARがあふれた未来。そして、主人公はコロンビアに住むJuliana Restrepoという女性。この女性がヘッドセットを装着して体験する世界を描いています。

主人公はヘッドセットを通してゲームをしています。また、視界のすみにはメッセージ通知や広告も。この時代では、スマホはもはや時代遅れの存在なのかもしれませんね……。

どうやら主人公はバスに乗っているようです。このゲームでは、日常の行動をするたびにポイントが溜まるしくみに。まさに現実世界がゲームになっているのです。楽しそうです!

Googleに「私は誰?」とたずねると、名前を答えてくれます。ARがすべての個人情報を管理しています。物事を忘れないためには便利ですが……。

すると、「あなたをリセットしますか?」という警告が。ARは情報を管理できるいっぽうで、情報を容易に消去できます。あやまって「RESET」を選んでしまったさきには、いったい何が待っているのでしょうか……。

主人公はバスを降りました。すると、広告や道行く人のステータスなど、街のなかのさまざまな情報が表示されます。

そして、スーパーマーケットに到着。右上に「バーチャルペットを試してみませんか?」というメッセージが。

主人公は試しにバーチャルペットを飼ってみることにしました。しかし、このわんちゃん、お世辞にもかわいいと言えません……。

商品を手にとると、パッケージも3D仕様に。

ショッピングを楽しんでいる途中で異変が起きた模様。そのため、カスタマーサポートに連絡します。しかし、「何者かにアカウントが攻撃されている。しかし、問題ない。」とのこと。

いったんVRヘッドセットの電源をシャットダウンしました。これが現実のスーパーマーケット。先ほどとはまったく異なり、落ち着きのある視界に変わりました。

そして、電源をオンに。ふたたびゲームが始まります。

ショッピングを終えて、スーパーマーケットを出て道を歩いていると、前から得体の知れない人物が……。

その得体の知れない人物は、ナイフのようなもので主人公の左手を傷つけました。手のひらには傷のマークが。そして、痛みとともにうめく主人公の声が聞こえます。

主人公の手のひらから血が流れています。この傷はゲームの世界で負ったものでなく、現実世界で負った傷なのです。

主人公はむせび泣きながら祈りをささげ、レベルアップしました。レベルアップとともに、このショートムービーは幕を閉じます。

VRが支配する世界に対する警鐘か

ゲームや映画のようなスリリングな楽しさを味わえるVR。しかし、ARが人間を侵食してしまうおそれがあることを、このショートムービーは語っています。人間の身体と、ARがつくりだす架空の現実との境界がなくなった世界を描いているようです。

AIは人類を脅かす存在と言われていますが、AR技術の発達に関しても同様のことがいえるでしょう。技術の発達は生活を豊かにしてくれますが、ときに人間を危険にさらす可能性もあるのです。

(image by Vimeo)