利用者の多い空港などでは、利用者一人一人の要望に応えることは簡単ではありません。そんな状況を変えようとしているのが、日立が開発しているヒューマノイドロボット「EMIEW3」。2016年9月から羽田で実証実験が開始されて、本格的な実用化が期待されています。

EMIEW3の出現で羽田空港利用者は増加するのでしょうか、訪日観光客にはどのような利便性があるのでしょうか。EMIEW3にできることを知って、これからくるかもしれない案内サービスの変化に備えましょう。

接客と案内サービスを行う「EMIEW3」

身長90cm、重さ15kgのボディを持つEMIEW3はお店や公共施設など様々な場所で活躍します。主な役割は、道に迷っているなどサポートを必要とするお客さまの元に自ら移動して、接客や案内サービスを行うこと。

こういった高度なサービスを実現しているのがEMIEW3に組み込まれているロボットIT基盤。音声・画像・言語処理などの知能処理をロボットの外側で行うリモートブレイン構成を採用しています。ネットワークカメラが人の動きを認識しサポートが必要な人を自ら感知、駆けつけることが可能になりました。

高度なロボットIT基盤で利用客をサポート

EMIEW3は2005年に愛知万博で活躍した「EMIEW」、2007年に対話ロボットとして発表された「EMIEW2」の後継機です。

今回、EMIEW3に搭載されたリモートブレイン構成のロボットIT基盤は、外部で監視・管理されているため、複数のロボットを同時に管理するということが可能になっています。これによって、1台のEMIEW3が利用客を目的地に案内している途中で別のEMIEW3に案内を正確に引き継ぐことが可能になりました。

さらに、高度な言語処理能力で英語にも対応。訪日観光客のサポートにも力を発揮します。

実用化に向けて羽田空港で実証実験

日立はEMIEW3を活用した案内サービスの実証実験を、9月2日から羽田空港国内線第2旅客ターミナルで開始しました。この実証実験を通して、空港など人が多く集まる場所での接客・案内サービスの充実を目指します。

この実証実験は2016年9月~12月の間に、3ステップで段階的に施行される予定です。

場所
羽田空港国内線 第2旅客ターミナル2階出発ロビー
保安検査場D前、時計台6番付近

ステップ1 案内板の横で応対

ステップ1では「EMIEW3」を専用の案内カウンターに配置。日本語、英語の二カ国語で応対します。案内情報ディスプレイと連携して、ディスプレイに表示された地図や空港施設の概要などの情報を使用して案内を行います。

期間
2016年9月2日、 9月6日~9月7日
9:30~13:00、14:00~16:30

ステップ2 自ら案内情報ディスプレイまで誘導

EMIEW3は空港利用者の問いかけに対し、案内情報ディスプレイまで自ら走行・誘導し、回答と説明を行ないます。

期間
2016年9月8日~9月14日
9:00~11:00、13:00~15:00

ステップ3 自ら目的地まで誘導

空港利用者が目的地まで案内を希望する場合、EMIEW3がフロア内を自ら走行して目的地まで案内します。

期間
12月を予定
※ステップ2、3は前段階での実証実験の結果によって実証内容が変更になる場合があります。

オリンピックまでの実用化を視野に

東京オリンピックに近づくにつれて増える訪日観光客を視野に入れ、公共施設などで案内サービスの整備が進んでいます。

EMIEW3のような案内サービスロボットは、人間の負担の削減、より大人数の対応が期待できる今後注目の技術です。

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