Twitter上でのやりとりを「名誉毀損」で訴えたいときにすべきこと | ミライFAN [ミライファン]
これまで「放置するしかない」と思われがちだったTwitterでの誹謗中傷、デマなどを「名誉毀損された」として裁判を起こし、投稿者を明らかにするというケースが徐々に増えつつあるようです。 そこで今回は、Twitter上でのやりとりを「名誉毀損」で訴えたいときの手順などを、実際にTwitter関連の弁護を多く行なっている弁護士・清水陽平さんに伺いました! この記事では、デマを流した投稿者に対して損害賠償を請求するため、相手を特定するまでの手順を紹介しています。 どういったものが「名誉毀損」になるの? 名誉毀損(名誉権侵害)とは、相手の発言によって自分の社会的評価が低下することをいいます。そのため「バカ」「アホ」「ドアホ」と言われただけでは、不快な気持ちになるかもしれませんが名誉毀損にはなりません。 名誉毀損に該当する条件 もっともわかりやすいのは「あの人は窃盗をしている」など、社会的に責められて当然と言えるデマを一方的に言われてしまうことです。つまり、自分以外の第三者からみて「あの人はヤバイ人なんだ(=社会的評価の低下)」と感じられるものが、名誉毀損になる可能性があります。 そのほか、違法性阻却事由などがないことも大事です。わかりやすくいうと、以下が「ない」と言えることが必要です。 公共性 公益目的 真実性 たとえば、 「◯◯さんは万引きをしているらしい」 というデマを投稿されてしまったとします。このとき、投稿内容とその背景になっている事実が以下の場合で考えてみましょう。 万引きは窃盗という犯罪で、犯罪を指摘することは公共性がある デマであり、嫌がらせ目的である(公益目的がない) 万引きをしたことはない(真実ではない) このように、公共性はあるにしても、その他を満たしません。この場合、名誉棄損が成立することになります。 弁護士・清水陽平さん(以下、清水さん)「名誉毀損と言っても、どのような事情があるのかによって、本当に名誉毀損が成立し得るのかが変わってきます。Twitterの場合は、書き込まれた内容にカーッとなった勢いで『名誉毀損だ!』と思い込んでしまう人も多いですが、まずは自分以外の第三者に意見をもらったり、弁護士など専門家に問い合わせるなどして判断するようにしてください」 【ポイント】「これって名誉毀損…?」と思ったら、自分以外の人に聞いてみること。 Twitterを介した相手を特定するときの基本の流れ この記事では、デマを流した投稿者に対して損害賠償を請求するため、相手を特定するまでの手順を紹介しています。 投稿者の個人情報を特定するまでの基本の流れは以下のとおりです。 1:Twitter社に対して、IPアドレスの開示を請求する裁判を起こす 2:プロバイダに対して相手の情報開示を請求する裁判を起こす 3:相手を特定。そこであらためて損害賠償請求をする 1:Twitter社に対して、IPアドレスの開示を請求する裁判を起こす(1~2ヶ月) 米・Twitter社に対して、IPアドレスの開示を請求する裁判を起こします。 IPアドレスが開示されると、プロバイダ(KDDIやdocomo、SoftBank、OCNなど)がわかり、契約者(=投稿した相手)の個人情報がわかります。 2:プロバイダに対して相手の情報開示を請求する裁判を起こす(6ヶ月) 特定したプロバイダに対して、投稿者の情報開示を請求する裁判を起こします。ここで住所や本名、電話番号などを特定できます。 ただし、相手がMVNO(仮想移動体通信)を使用していた場合、その大元となるプロバイダを特定するための工程がさらに発生する場合もあります。 3:相手を特定。ここであらためて損害賠償請求をする この時点で、投稿者の特定が完了します。ここからは、人によっては損害賠償を請求したり刑事告訴したりなどで手続きが変わります。 清水さん「最近では、大手家電量販店などもMVNOとしてサービス提供していたりします。相手がそういった回線を使用していた場合は、裁判の回数が増えることになります。さらにMVNOが2つ重なっている場合もあり、多い場合は4回も裁判が必要になることもあります」…